こんにちわ、@ソロニワです。
クッカーには色々な素材(チタン・ステンレス・鉄・アルミなど)がありますが、今回は、その特徴と選び方について紹介したいと思います。
おすすめのクッカーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。(本記事では「広義のクッカー」としてケトルなども含めて紹介しています。)
Contents
クッカーの素材選び
クッカーを選ぶときに、心がけているのは「数値」で比較することです。
比重・強度・熱の伝導率などを知ることで「素材の特徴」が理解できるので、クッカーを使用するときに、とても楽しくなります。
ということで、クッカーに使用されることの多い「チタン・ステンレス・鉄・アルミ」の特徴をみていきましょう。
チタンの特徴
「チタンは軽い」と言われますが、比重は鉄とアルミの中間。
なのに、強度は金属のなかでも最大クラスです。
「えっ?アルミより重いの?」と思いますが、強度が高いから薄くつくることができます。だから軽くなるんですね。
熱伝導率は「17」で、鉄と比べると1/4ほど。そのため熱ムラができ、焦げ付きやすいのでフライパンなどには向きません。
そのかわり、マグやクッカーに使うと「熱くない」「冷めにくい」というメリットがあります。
水にイオン化しないのでアレルギーフリー。アルミやステンレスのように素材の味を変えないので、フライパン以外では最高の素材なんだと思います。
- 比重:4.5(鉄とアルミの中間)
- 強度:実用金属中最強クラス
- 熱伝導率:17 (低い)
- 耐食性:非常に強い
- 磁性:なし
- 錆:海水でも錆びない
- 融点:1,668°C(高い)
- その他:イオン化しないので素材の味を変えない
実はこんなに凄い!チタンのクッカー
これはあまり知られていないと思いますが、チタンの比熱(単位質量の物質の温度を1度上げるのに必要な熱量)は鉄やステンレスとあまり変わりません。
ところが、チタンは比重が小さいため、同じ大きさの鉄やステンレスの約6割の熱量で同じ温度だけ上昇させることができます。非常に強度が高いので、薄く作ることができ、この傾向はより高まります。
だからチタンのクッカーは、熱伝導率が悪い割には温まりやすく、お湯をはやく沸かすことができるんです。
チタンのケトルはめずらしいですが、チタンクッカーをケトルがわりに使うというのは、とても賢い使い方なんですよね。
チタン製 おすすめのクッカー
エバニュー チタンカップ400FD RED
一人用の湯沸かし・食器などにおすすめ。400mlという容量が絶妙です。
使いやすい特徴がハンドルをロックできるところ。シリコンコーティングがあるところです。そのため、扱いやすく、素手でも熱くありません。
ケトル・マグ・カップと使い勝手がいいのに安価という素晴らしい製品だと思います。
EPI ATSチタンクッカーTYPE-3M
EPIのチタンクッカーの凄いところは、底にアルミ(熱伝導率が高い)を吹き付けてあるところです。つまり、熱伝導率が低いチタンの弱点を軽減しているということ。
900mlの容量があり、中に250缶がスタッキングできます。
スノーピーク チタントレックコンボ
煮込み料理や湯沸かしにおすすめなのがこちら。
900・1400 の容量があり、スタッキングして持ち運ぶことができます。軽く、丈夫で、質感の高いクッカーですよ。ただし、炊飯には向かないので、ご飯を炊きたい場合はアルミのクッカーを選んでください。
スノーピーク雪峰H300
このマグは燕三条(新潟にある世界的に有名なモノづくりの街)の高い技術力がないと作れないんだとか。定番ですがやはり素晴らしいです。
チタンは熱の伝導率が低いので、口元や持ち手が熱くなりにくいです。雪峰はダブルウォールという2重構造なので、さらにその傾向が高まります。
ステンレスの特長
「ステンレス」は、鉄にクロムを添加した金属。10.5%以上のクロムが添加されたものをステンレス鋼といいます。
表面には強靭な保護被膜(100万分の3mmほどの厚さ)があるので、サビに強い金属です。この皮膜は壊れたとしても、周囲に酸素があれば自動的に再生するそうです。
熱伝導率は「20」程度でチタン(17)よりわずかに高いくらい。溶解温度は1400~1530℃でチタン(1,668℃)には及びませんが、アルミ(660°C) に比べると圧倒的に強いです。
そのため、大火力で常に火にかけ続けることの多い「焚き火ケトル」に最適。
一度温まってしまえば低い熱伝導率のため、冷めにくいのも特徴です。つまり、常にお湯を沸かしておくような焚き火のケトルは、ステンレスがいいですね。
- 比重:約7.8(重い)
- 強度:高い
- 熱伝導率:20 (低い)
- 耐食性:強い
- 磁性:ニッケルの配合の有無で変わる
- 錆:錆びない
- 融点:1400~1530℃(高い)
ステンレス製 おすすめのケトル
ユニフレーム キャンプケトル
容量は1.6L。すごく質感の良いケトルです。
ユニフレームさんのものは、ステンレス製品の「質感が凄くいい」んですよね。また、蓋には工夫があり、傾けても落ちないようになっています。
迷ったらこれが一番オススメです。
スノーピーク クラッシックケトル 1.8
スノーピークのケトルはクラッシックなデザイン。
持ち手が大きいので持ちやすく、フタや注ぎ口など随所に工夫が施されているケトルです。新潟の燕三条の技術を活かした金属加工には、圧倒的な安心感があります。
イーグルプロダクツ ステンレスケトル1.5
こちらは北欧のステンレスケトル。底部分に銅をコーティングすることによって湯沸かしの速度をあげるという素晴らしい製品です。秀逸なデザインも最高ですね。
鉄の特徴
鉄は人類の歴史において最も利用価値の高い金属です。なぜなら、加工し易く、再利用価値が高いから。
恒星の爆発による核融合により作られるのは元素記号では鉄まで。つまり鉄は入手しやすいんです。
元素番号が鉄以上の金やプラチナなどは超新星爆発の残骸といわれています。
- 比重:約7.85(重い)
- 強度:高い
- 熱伝導率:83.5 (高い)
- 耐食性:弱い
- 磁性:あり
- 錆:錆びる
- 融点:1,538°C(高い)
熱伝導率は「83.5」。ステンレス(20)やチタン(17)と比べると、4倍以上です。
蓄熱性が高く、素材をムラなく焼き上げることができるので、フライパンやスキレット、ダッヂオーブンなどに適しています。ただし、とてもサビやすいので汁物を入れたまま放置するのは厳禁です。
鉄製 おすすめのクッカー
ターク フライパン26cm
一枚の鉄板からドイツの職人が叩き出している一品です。継ぎ目が一切ないから耐久性は半永久的。手に持つたびにロマンを感じる素晴らしいフライパンです。焚火にかけるフライパンはやはり鉄製に限りますよ!
ロッジのスキレット
ロッジはアメリカのスキレット。おしゃれキャンパーがよく使っていますよね。熱伝導率、蓄熱性が高いので一度温めてしまえば余熱での調理も可能です。
食材をムラなく焼き上げることができるので、とにかく美味しい調理ができますよ。大きさは8インチが大きさと重さのバランスがとても良いのでオススメです。
ユニフレーム ダッチオーブン
ダッチオーブンの中で一番よくできていると思うのが、ユニフレームのものです。黒皮鉄板という一枚の素材からできていて、落としても割れません。そして洗剤も使えます。一度使ってしまうと他のダッチは使えないと思いますよ。
アルミの特徴
アルミの最大の特徴は熱伝導率(236)がとても高いこと。軽いこと。加工しやすいことです。
熱伝導率は鉄の3倍ほど。食材に素早く、ムラなく熱を伝えることができます。そのため、最も適した用途は「炊飯」でしょう。
反面、熱伝導率が良すぎて「ラーメンを茹でて食べる」とか、「マグ」のような用途には不向きです。(手も口も確実にやけどします)
また、アルミの比重は2.7で、鉄(7.8)・チタン(4.5) に比べると3 分の1 程度と軽いです。ただし、柔らかいので厚さを増す必要があります。つまり、結果的にはそれほど軽くはならないんですよね。
デメリットとしては、融点が660度なので、”焚き火にガンガンかける” 用途にはあまり向きません。(といっても炊飯などは普通にできます。)
ちなみに、真っ赤になっている炭の中にアルミの塊を放り込んでおくと液体になりますよ。(実験しました)
- 比重:約2.7(軽い)
- 強度:低い
- 熱伝導率:236(高い)
- 耐食性:強い
- 磁性:なし
- 錆:錆びない
- 融点:660.3°C(低い)
- その他:融点が低い
アルミ製 おすすめのクッカー
スノーピーク アルミパーソナルクッカーセット
これは安いのに凄く使いやすいクッカーです。
ヒロシさんも愛用!浅型なので視認性がよく、洗いやすいです。炊飯にも最適で、蓋はフライパンや食器としても優秀です。
スノーピーク トレック900(アルミ)
トレック900のアルミモデル。3号までの炊飯ができます。トレック700や1400とスタッキングできるので使い勝手がよいです。あと、地味に素敵なのが「蓋がしっとりとしまる感覚」こればかりは、使ってみないとわかりませんね。
トランギア メスティン
現代版の飯盒ともいえるのがトランギアのメスティンです。
正方形の形状からパッキングもしやすく、最大1.8号までのお米を炊くことができます。底網を使用すれば、蒸し物や燻製なども楽しめますよ。
トランギア アルミケトル
これ以上ないくらいにシンプルなケトルです。凄く素敵。
アルミなので湯沸かしが素早くできます。0.6Lという容量は、ソロにおすすめ。少し余裕がほしければ0.9Lのものもあります。
焚き火で使用する場合、置く場所によっては持ち手のシリコンが溶けてしまうため、注意が必要です。
まとめ
以上、色々な金属の特性を生かしたおすすめのクッカーの紹介でした。
最後に素材別の特徴と用途を表にまとめておきます。
チタン | ステンレス | 鉄 | アルミ | |
比重 | 4.5 | 7.5 | 7.85 | 2.7 |
熱伝導率 | 17 | 20 | 83.5 | 236 |
融点 | 1,668℃ | 約1,500℃ | 1,538℃ | 660℃ |
用途 | マグ・煮込み料理 | 焚き火ケトル | フライパン | 炊飯・ケトル |
やはり万能な金属などはなく、素材によって最適な用途は変わってきますね。
少しでもクッカー選びの参考になればうれしいです。
いつも、拝見しております。こちらのクッカーの入れ物はどこのでしょうか。よろしくお願いいたします、
こんにちわ。ブログを見てくれて嬉しいです。ありがとうございます!
トップの画像で使っているものですよね? こちらになります。↓
スノーピーク(snow peak) マルチコンテナ Sユニット UG-078
こういう形のものってあまりないのですごく便利ですよ(^^)
生地も厚くて丈夫ですし。