キャンプにおすすめの斧はどれ?初心者が斧を選びやすいようにまとめてみた。




こんにちわ、ソロニワです。

キャンプを始めて、猛烈に欲しくなってくるのが、「斧」や「鉈」のたぐいだと思います。でも、キャンプ初心者は「どうやって選んだらいいのか分からない」というのが本音ではないでしょうか?

本記事ではそんな人のために、斧の選び方と、キャンプにおすすめの斧を紹介しています。

  • キャンプ用の斧が欲しいんだけど、どう選べばいいの?
  • 市販の薪割りに適した斧は?

こんな人の悩みを解決できれば幸いです。

「斧があるキャンプ、始めませんか?」

キャンプには斧が必要?

第一に、「キャンプには斧が必要なの?」という疑問ですが、私は必要だと思います。

ズバリ、市販されている薪の多くはそのままでは全く燃えません。大きすぎるんですよ。薪は「割る」ことにより空気と触れる面積が増えて、燃えやすくなります。

小割りにした薪から大きな薪に徐々に火を移していくというのが焚き火のセオリー。それを守ると薪は完全燃焼に近い状態で燃えて、煙がほとんど出なくなります。

↓こちらの画像を見てください。私のこだわりの焚き火の様子ですw

完全燃焼に近い状態の薪

第二に、斧を持っていると、副次的な効果でキャンプの満足度が上がります。

開拓時代のアメリカ

柄つきの斧は紀元前6000年ほど前から使用されていたようです。現代でも根本的な形はあまり変わらない。そんな歴史のある道具とともに、焚き火をするのは本当に楽しいものです。

キャンプというのは「自然と道具」を楽しむ行為です。「人類の歴史を象徴する道具」があるだけで、とても雰囲気が良くなります。

キャンプ用の斧の選び方

つづいて、キャンプ用の斧の選び方について。解説したいと思います。斧の種類・薪の違い・代表的な斧のブランドなどをまとめてみました。

斧の種類について

斧には下の表のように4種類があるのですが、キャンプで使用するのは一般的に①と②になります。ようするに薪が割れるくらいの重さと長さがあれば十分。③④は完全にプロ向けですね。

種類用途
①スプリッティングアックス(薪割り)一般的な薪割り。刃はくさびのような形をしているため、木を木目の方向に引き裂く。
②キンドリングアックス(焚き付け)キンドリング(焚き付け)の意味のとおり、焚きつけを作るための斧。刃が鋭い。
フェリングアックス(伐採)木を伐採する(木目と垂直に切る)ための斧。繊維を断ち切るために刃はするどい。
ブロードアックス(はつり)丸太から材木を切り出すための斧。刃幅が大きく独特な形をしている。

斧頭の形状の比較

つづいて、スプリッティングアックスと、キンドリングアックスの違いを画像で比較してみましょう。下の画像がそれぞれの斧頭の形状の違いです。

  • ①スプリッティングアックス:一度刃が食い込めば、広葉樹(硬く繊維が湾曲している)の薪でも引き裂くように割ることができる。
  • ②キンドリングアックス:薪を引き裂く力は弱いものの、刃が鋭いので薪に刃がスッと入ります。そのため、針葉樹(繊維がまっすぐで割りやすい)の薪割りや、木製ポールやポットハンガーなどを作るブッシュクラフトに適していると言える。

薪の種類

針葉樹と広葉樹の薪の違いも画像で比較してみます。それぞれの薪の特徴(繊維の曲がり具合)がよくわかるのでは?と思います。

ちなみに、スギやマツなどの針葉樹は繊維がまっすぐで密度が低いので、どんな斧でも割れますが、広葉樹(ナラ・クヌギ・カシなど)を割りたい場合は、40cm以上の長さで、1kg程度の重さがある斧(破壊力がある)を選ぶとよいと思います。

キャンプには手斧が適している

上記で、①②の薪割り・焚きつけ用の斧が適していると書きましたが、実はキンドリングアックスなどは本当に種類が多く、区分の明確な決めごとがありません。ハンドアックス・ハチェットとも呼ばれることがあり、おそらく混乱してしまうと思います。

なので、キャンプ用の斧は下の表のような条件で選んでみてください。いわゆる「手斧」と呼ばれるものですね。長さと重さは大きいほど破壊力が増します。

キャンプ用の斧の選び方

斧の長さ24cm〜50cmほど
斧頭の重さ400g〜1.5kgほど

こんな感じで選べば、小型の①スプリッティングアックス(薪割り用)や②キンドリングアックス(焚き付け用)に辿りつけるはずです。

ちなみに、35cm〜40cmほどの長さがあれば片手でも両手でも持つことができるので、一番おすすめの長さですよ。

代表的な斧のブランド一覧

斧の代表的なブランドについてもまとめておきます。有名なものは、全て北欧の森林大国で作られています。もちろん日本製の和斧もあるのですが、種類が少ないので後ほど紹介したいと思います。

ブランド特徴
グレンスフォシュ・ブルークスウェーデン・スウェーデンの鍛鉄メーカー
・王室認定
ハスクバーナ スウェーデン・300年以上の歴史を持つ、農林・造園メーカー
ハルタフォーススウェーデン・130年の歴史を持つハンドツールメーカー
フィスカースフィンランド・ガーデン用品世界No.1
モーラスウェーデン・125年の歴史ナイフメーカー
・王室認定
バーコスウェーデン・130年の歴史をもつツールメーカー
・モンキーレンチの産みの親

キャンプにおすすめの斧

それでは、キャンプにおすすめの斧をいくつか紹介していきたいと思います。

主に市販の薪を割ったり、現地調達で簡単な枝払いができるもの。つまり、以下の条件に当てはまるようなものを選択しています。

斧の長さ24cm〜50cmほど
斧頭の重さ400g〜1.5kgほど

グレンスフォシュ・ブルーク ワイルドライフ

とにかく質の良い斧が欲しいという方には、グレンスフォシュ・ブルークがおすすめです。

GRÄNSFORS BRUK

スウェーデンで100年以上の歴史をもつメーカーで、職人達が打ち鍛えて作った斧には例外なくイニシャルが刻まれます。一見、同じように見えても柄の仕上がりなどには明らかな違いを感じるものです。

ワイルドライフはとても人気のあるモデルです。そのため「一番最初に買うべき斧」とも言われています。片手でも両手でも扱いやすい34.5cmという程よい長さ。刃は非常に鋭く、とても軽量。ナイフとしても使うことができます。

「薪割り」だけでなく、「枝払い」もできる万能な斧です。

  • 全長:34.5cm
  • 重さ(斧頭):400g
  • 刃渡り:10.0cm

グレンスフォシュ・ブルーク アウトドアアックス

アウトドアアックスは、スウェーデンのサバイバル熟練者であるラーズ・ファルト氏と斧職人が共同開発した特別な斧。「これ一本で全て(薪割り・枝払い・彫刻など)がまかなえる」と言われています。

刃は楔のような形状をしていますが、刃渡りは控えめなので小回りが利く感じです。

  • 全長:375cm
  • 重さ(斧頭):380g
  • 刃渡り:6.3cm

グレンスフォシュ・ブルーク ハンドハチェット

こちらは、ハンドルが短く軽量なハチェット(小型斧)になります。斧頭はワイルドライフに似ていますが、少し「楔」寄りの形状をしているので、繊維の曲がった広葉樹を引き裂きながら割ることができます。

A4用紙に収まるほどコンパクトなので、バックパッキングやツーリングで使用するには最適だと思います。

  • 全長:24cm
  • 重さ(斧頭):400g
  • 刃渡り:7.6cm

グレンスフォシュ・ブルーク ウッドチョッパー

ウッドチョッパーは、「小型の薪割り」です。これは広葉樹の薪をよく使うという方にはおすすめです。

斧頭の形状(刃先から直線的に太くなっている)から「薪割り」に特化していることが分かりますが、この形状により、薪の繊維を引き裂きながら割ることができるわけです。また、金属製のヒットガードが装着されているので、万が一のミスヒットでも柄が折れにくくなっています。

  • 全長:48cm
  • 重さ(斧頭):1.39kg
  • 刃渡り:6.8cm

ハスクバーナ 手斧

スウェーデンのコストパフォーマンスに優れた斧。アウトドア用斧の定番と言ってもよいかもしれません。38cmとコンパクトで持ち運びしやすく、おまけに破壊力もあります。市販の薪であれば、広葉樹でも気持ちよく割れますよ。

キャンプ初心者が選ぶには最適だと思います。

  • 全長:38cm
  • 重さ:1kg
  • 刃渡り:8cm

Hultafors(ハルタホース) スカウト

1883年創業というスウェーデンの老舗工具メーカー、ハルタフォース社製の手斧。長さは38cm・重さは900g。上記の「ハスクバーナ 手斧」と同等のサイズ感なので、とてもバランスの良い斧だと思います。

  • 全長:38cm
  • 重さ:900kg

Hultafors(ハルタホース) オールラウンド

上記のスカウトよりも長さがある(+6cm)ので、その分破壊力があります。広葉樹の太めの薪でも割ることができるサイズ感ですね。ちなみに、ヒロシさんが使用されているのがこちらですね。(「もう少し長いやつがいい」と買いなおしていました。)

  • 全長:44cm
  • 重さ:1010g

Hultafors(ハルタホース) ミニ ハチェット

グレンスフォシュ・ブルークのハンドハチェットとほぼ同等のサイズ感なのがこちらです。A4サイズなのでとてもコンパクト。価格的にもこちらのほうが安いので、予算によって選ぶとよいと思います。

  • 全長:23.5cm
  • 重さ(斧頭):500kg

FISKARS(フィスカース)ガーデンアックス X11

フィスカースはガーデン用品世界No.1を誇る北欧フィンランドのメーカー。ガーデンアックス X11は小型の「薪割り用」斧です。柄の部分は頑丈なグラスファイバーになっているのが特徴的。

フィスカースの斧には多くのサイズがあるのですが、これぞ薪割り斧(市販の薪を細かくする)に最適なサイズだと思います。

モーラ・ナイフ Mora knife Camping Axe 

モーラは、スウェーデンを代表するメーカーのみに与えられる「王室御用達の認定」を受けているメーカーです。長さは32cmほどなので片手でも扱いやすい。そして、斧頭には「ボロン鋼」という特殊金属が使用されています。(堅牢なボルボのフレームに使われる素材)

  • 全長:32.2cm
  • 重さ:510g
  • 刃渡り:11.5cm

BAHCO(バーコ) Hatchet 手斧

バーコはスウェーデンにルーツを持つツールメーカーです。Hatchetは扱やすい大きさと価格がとても魅力的。長さは36cmとコンパクト。800gの重さがあるので市販の薪であれば十分でしょう。

  • 全長:36cm
  • 重さ:800g
  • 刃渡り:11cm

グレンスフォシュ・ブルーク 薪割り鎚 ショート

こちらはキャンプに持っていくには大きすぎますが、「丸太も割りたい」という方にはおすすめです。2kgを超える斧頭から生み出される破壊力は圧巻。

薪は刃を落とすだけで小割りができるようなイメージです。斧頭の後部はハンマーにもなっているので、楔を打ち込みたいときにも重宝します。

柄の長さが「ショート」なのは、薪ストーブで有名な「ファイヤーサイド」さんが、日本人の体型にあわせて別注をかけているからです。これ、いいですよ!

  • 全長:69cm
  • 重さ(斧頭):2.56kg
  • 刃渡り:7.0cm

曲がり柄馬斧(まがりえばきん)

最後に、日本の斧も紹介したいと思います。新潟県三条にて、唯一の斧鍛治職人が作る和斧です。長さは女性でも扱いやすい37cm。スペック的にはハルタフォースのスカウトとほぼ同等なイメージですね。

  • 全長:37.0cm
  • 重さ:800kg
  • 刃渡り:10.0cm

ユニフレーム TSRUBAMI 燕三条乃斧

日本を代表するアウトドアメーカー ユニフレームさんの斧です。最大の特徴は、斧頭後方に、細めの薪を短くすることができる「薪折り」が搭載されている点です。また、S50Cという鋼材が使用されていて、強度が高く粘り強い。「薪を割って火をつける」ことを考えると利便性は抜群なので、オートキャンプ主体であればこういった選択もありだと思います。

  • 全長:27.5cm
  • 重さ:450g
  • 刃渡り:11.5cm

斧のメンテナンス

最後になりますが、斧のメンテナンスの仕方についても言及しておきます。

斧は柄を交換しながら、何十年も付き合っていく道具。メンテナンスを定期的におこなうことで味わいと、愛着が増していきます。

刃を研ぐ

斧はハードな扱いをするので、比較的刃が傷みやすいです。専用の砥石を使用してメンテナンスをしましょう。砥石もいろいろありますが、海外で評価が高いのがLANSKY(ランスキー)のものですね。コスパも大変よろしいです。

【使い方】斧を固定し、砥石を濡らしたら、「荒面」で刃に沿って円を描くように研ぎます。裏返して「細面」で仕上げたら完了。

柄の手入れをする

「柄は」定期的に汚れをふきとって、オイルでケアすることによって、水分の吸収やカビの発生を防ぐことができます。

オリーブオイルなどは「不乾性」(乾かない)ので、できれば「乾性」のオイル(ウォールナットなど)がおすすめです。オイルを塗布すると、柄が濃く色づくので、とても雰囲気がでますよ。

最後に

私もいつもキャンプに「斧」を持っていきます。

「大型の薪割り」も持っていますが、一番出番が多いのはグレンスフォシュ・ブルークの「ワイルドライフ」というモデル。

キャンプで丸太を切り出して割るようなことはめったにないので、コンパクトな手斧がちょうど良いんですよね。切れ味がとても鋭く、枝払いが楽なので、現地で薪を調達するときにも重宝しています。

クルミ油でしっかりとメンテンスしながら何年も使っているので、ヒッコリー材(クルミ科の広葉樹です)の「柄」は飴色に変わり、とてもいい風合いになっています。もう完全に「自分の斧」に育ったので手放すことができません。

斧ってほんといい道具ですね。














コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です