【書評】「新型コロナ恐慌後の世界」〜中国抜きの新たな世界秩序へ!|著:渡邊哲也




「新型コロナ恐慌」後の世界を読みました。

新型コロナウイルスの「断片的な報道」がメディアから届く毎日ですが、「体系的にまとまった情報がないかなー?」と探していてみつけた本です。

結果的に大正解。本書では、新型コロナウイルスの影響で、中国、日本、世界で何が起こっていくのか?を詳細に分析されていてとても参考になります。

ということで、紹介させていただきます。

著者:渡邊哲也氏について

日本大学法学部経営法学科卒業。作家・経済評論家。内外の経済・政治情勢のリサーチ・分析に定評があり、政策立案の支援・雑誌の企画・監修まで幅広く活躍されている方です。

「新型コロナ恐慌後の世界」のポイント

本書の要約がこちら。今回は章のまとまりに固執せず、重要だと思われるポイントを5つほどまとめてみました。

グローバリズムの崩壊

アメリカのトランプ大統領は「自国優先」を貫き、イギリスは2020年、EUから離脱(ブレグジット)し、ヨーロッパ各国は国境の閉鎖を決めた。

新型コロナの影響で「グローバリズム」の崩壊は加速。

「グローバリズム」を利用し成長してきた中国にとっては痛手になる。

グローバリズムとは?「ヒト・モノ・カネ」の自由な移動が可能な状態

GAFAの「終わり」の始まり

中国は「カネの力」で人・技術を買収し、GAFAもその恩恵をうけて大きな利益を生み出してきた。

新型コロナの流行 → グローバリズムの崩壊により、グローバル企業の代表格であるGAFAも大きなダメージをうける。

世界的にもGAFAへの締め付けは強化されていく。

世界的な「中国外し」の始まり

新型コロナの影響で、中国依存のサプライチェーンの危険性が世界に広まった。今後は中国から撤退する企業が増加すると予想される。

世界市場から、中国の遮断や追い出しは加速する。

中国のバブル崩壊の危険性

中国の最大の消費シーズンである「春節」(中国の旧正月)に、新型コロナは直撃した。中国の内需は低迷(コロナの影響)し、外需の悪化(米中貿易戦争)とのダブルパンチでバブル崩壊が加速する。

さらに中国はサプライチェーンの停止により、外貨を輸出で稼ぐことが困難な状況にある。

日本ではなにが起こるのか?

今回、日本でも中国依存のサプライチェーン問題(とくに医薬品)が表面化した。安倍首相も方向性を示しているとおり、製造業の国内回帰と、サプライチェーンの再構築が進むものと考えられる。

まとめ

以上、「新型コロナ恐慌」後の世界 の書評でした。

新型コロナの影響で今後も自粛が続くと思いますが、本書はおおまかな世界の動向を知り、未来を予測するうえで非常に参考になる本だと思いました。

ここでは紹介できませんが、文章とともにデータや背景にある法律までまとめられているので、とても説得力があります。

この本、すごくおすすめです!