OPINEL ナイフ 徹底レビュー|黒錆加工&オイル仕上げのやり方




オピネル(OPINEL)の黒錆加工・オイル仕上げ(油漬け)についてまとめました。サイズの選び方や、分解の仕方、研ぎ方についても触れています。

購入した際の参考になればと思います。

※黒錆加工はカーボン刃にのみ施すことが出来ます。

オピネルとは?

フランスの刃物メーカーです。ジョセフ・オピネルが1890年に考案したものが原型で、これまでほとんど形を変えることなく生産されています。フランス国内ではナイフといえばこの「オピネル」を指します。シンプルで暖かみのある折畳み式のナイフで、昔からフランスはもちろん日本でも多くのアウトドア愛好家やキャンパーに愛されてきました。

下の写真は、新品の状態の「オピネル#8」カーボンスチールモデル。これから ”あんなことやこんなこと” をされるなんて想像もできないでしょうね。

OPINEL

オピネル×アウトドア

フランスでは一般的に使われているオピネルですが、折り畳み式で安全、コンパクトなのでアウトドアでこそ使いたいナイフです。切れ味の鋭い刃は簡単な調理やブッシュクラフトにも使えます。柄が木製で、使い込むほどに味わいが増すという点もとても魅力的ですね。

オピネルの種類

刃は2種類あり、錆に強くメンテナンスの楽なステンレス製と、研ぎやすく切れ味の鋭いカーボンスチール製があります。

「カーボン製」は切れ味が鋭く研ぎやすいのが魅力ですが、メンテナンスを怠ると錆びることがあるので注意が必要です。

「ステンレス製」はサビに強いので釣りをする方や調理をすることが多い方には便利でしょう。手入れが面倒な方はこちらです。

オピネルのサイズ

No.6からNo.12までのサイズがあり、それぞれ刃の長さが異なります。今回購入したのはカーボン製の8番。オピネルでは、この8番が最もスタンダードとされ、カラー展開もこの8番がベースとなっています。つまり、最も一般的なモデル。

キャンパーたちの口コミ

キャンパーの間では、「7番だと短い」「10番だと長い」という意見が多く、悩んだ場合は、この8番を選ぶか、大柄で手の大きい男性であれば、9番あたりがベストな選択だと言えるでしょう。これは個人的な意見ですが、それ以上のサイズになると、携帯利便性を損ねはじめ、折り畳み式ではなく、別のナイフを検討した方が良い気がします。

以下はサイズ別のブレードの長さ一覧です。これをみると、No8は、7と9の間をとった絶妙なサイズ感であることが分かります。

迷ったら8番を選べは間違いないです。

No.刃の長さカーボンステンレス
No.67.0cmカーボン #6ステンレス #6
No.78.0cmカーボン #7ステンレス #7
No.88.5cmカーボン #8ステンレス #8
No.99.0cmカーボン #9ステンレス #9
No.1010.0cmカーボン #10ステンレス #10
No.1212.0cmカーボン #12ステンレス #12

※ No.11 – 1939年に生産中止

黒錆加工のやり方

オピネルのカーボンスチールモデルで、一般的に行われている加工が、「黒錆加工」と言われるものです。あらかじめ「黒色の錆加工」をしてしまうことにより、「錆を防ぐ」いう目的があります。

なぜ黒錆をわざわざつけるの?

赤錆には表面からだんだん内部に浸透して金属をダメにしてしまいますが、黒錆は安定して金属表面に留まり、コーティングのような役割をしてくれるという性質があります。そのため、錆に強くなるのです。

用意するもの

  • ハンマー
  • ポンチ
  • プライヤー(ペンチでもOK)
  • お酢
  • 紅茶の葉
  • 容器
  • 木の棒

オピネルを「分解」する

まずは本体と刃を分離します。ハンドルをぐるりと取り囲んでいる、ロックリングを外しましょう。道具はいりません。ナイフを折りたたんだ状態でロックし、そのまま無理やり刃を引き出せば簡単に外れます。

外した時にロックリングが派手に飛ぶのでテープで軽く押さえておきます。これは絶対やった方が良いです。(やらないとめちゃくちゃ飛んでいきます)

プライヤーなどでナイフをつまみ、ゆっくりと刃を起こしていきます。壊れそうな気がすると思いますが大丈夫です(笑)

「パイーーーン!」という金属音とともに吹っ飛んだロックリング。無事に外れました。

ポンチを刃の接合部のピンにあてハンマーでたたきます。(叩くのはハンドルにOPINELというロゴが印刷されていない「裏側」になります。表側は釘で言えば「釘頭」になるので叩いても抜けません)

反対側からピンが飛び出してきたら、プライヤーで引き抜きます。表側のピン頭が分かるでしょうか?

ちなみにこの「GISUKE」のプライヤーはめちゃくちゃ使い易いです。そして、機能を発揮できる最低限の素材で作られている感じが本当に美しい。「モノを掴むこと」に関してこれ以上のモノがあるがろうか?

いままで色々なDIYにチャレンジしてきましたが、「GISUKE」がいなければ越えられない壁はたくさんありました。

ピンがきれいに抜けました。

これにより、本体と刃を分離することが出来ました。

これは、黒錆加工を「丁寧に」行うために必要な作業になります。なぜなら、分解しないと、「刃の根元部分がきれいに加工できない」からです。

続いて黒錆加工に移ります。

やり方はとても簡単、「黒錆溶液」なるものを作り、そこに刃を漬け込んで1時間ほど放置するだけ。「黒錆溶液」は紅茶とお酢を 8:2 の割合で混ぜ合わせて作ります。

500cc程度の水に紅茶を3パック入れ、濃いめに煮出します。(「濃いめ」が綺麗に仕上げるポイント)それにお酢を125cc加えたら完成です。

容器は刃が隠れればなんでも良いのですが、今回は容量がジャストな、スノーピークのチタントレック700を使用しています。容量がちょうど良い感じです。

あらかじめ刃の穴に糸や針金を通して、溶液から引き上げやすくしておきます。刃を溶液の中に入れて1時間ほど放置しましょう。

1時間後、すっかり黒錆加工されたオピネルです。

もはや卍解した斬月にしか見えない・・(漫画:ブリーチより)

水洗いし、しっかりと水分を拭き取ってから、一日ほど乾燥させましょう。

続いてハンドルの「オイル漬け加工」です。これは、「黒錆加工」と同時にやってしまいましょう。

ハンドルのオイル漬け

なぜ「オイル漬け」をするのか?

オピネルのハンドルはブナやオリーブ、ウォールナットなど木製です。共通して言えるのが、木は「水分を含むと膨張する」ということ。つまり、水分を含むとハンドルが膨張してしまい、ナイフの出し入れがしずらくなるんです。

対策としては、あらかじめオイルを含ませることで水分の吸収を防ぎます。

オイル漬けのやり方

クルミオイル、亜麻仁油、えごま油、紫蘇油 などの乾性の油を用意します。食品を扱うものなので食用油をチョイスしましょう。ちなみに、オリーブオイルなどの不乾性油だと乾かず、ずっとベタベタになるので注意が必要です。

種類に迷う場合は「クルミオイル(ウォールナッツオイル)」にしておけば間違いないです。

ハンドルがしっかりと浸かるように、ビニール袋に油をいれます。そうして、漬け込みましょう。やることはこれだけ。

24時間たったら油から引き上げ、余分な油を拭き取ります。その後、一日程度乾燥させておきましょう。

乾燥後、もとに戻していきます。金属パーツをはめて、ピンを打ち込みます。

ロックリングまで戻したらこんな感じ。一気に玄人仕様になった感じがしますね。めちゃカッコ良い!

いやー雰囲気良いですねー。

刃の研ぎ方

元々斬れ味の良いナイフですが、砥石で研ぐことにより恐ろしく斬れ味のよいナイフになります。

研ぐ際の角度については、公式では20度程度で刃付けをすることが望ましいとされています。

ステンレスの刃は硬く研ぎにくいのですが、#1000前後の砥石を利用すると比較的容易に研ぐことができます。カーボンスチールの刃の場合も同様に#1000程度の砥石があれば十分実用的な切れ味にすることができます。

有名なところでは、シャプトンの砥石です。

まとめ

以上、オピネルの徹底レビューでした。

黒錆加工やオイル漬けなどのポイントとしては、ハンドルと刃を外さなければならず、乾燥にも時間がかかるので、両方同時に加工してしまうのがオススメです。

オピネルは非常にメジャーなナイフですが、本当に優れた道具です。使い込み、味わいを出しながら「自分だけの一本」に仕上げましょう。道具のメンテナンスも楽しんで、素敵なアウトドアライフを!

お手入れが面倒な方はステンレスモデルを選ぶと良いと思います。(ステンレス刃には黒錆加工はできません)

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